新歌舞伎座公演・大団円

6月、7月と東西の老舗大劇場の舞台に連続して立つ島津亜矢さんの特別公演。
先駆けとなった新歌舞伎座における27公演は二十日間という長丁場を乗り切って6月23日に無事
千穐楽を迎え大成功裡のうちに大団円となりました。
ご出演の皆様ほか関係者ご一同さまには安堵と満足感を覚えておられることとお察しし、ファンの一
人として陰ながらお慶びを申し上げたい気持ちでいっぱいです。

両劇場からの懇篤な要請があったにせよ2ヶ月連続公演というのは島津亜矢さま及び関係者の皆さま
にとっては初めてのことであり大きな賭けであったに違いないと思えます。
客待ちの公演ですからその成否は幕を開けてみなければ分からない。きっと諸々のプレッシャーが心
をよぎったに違いないと思えます。何事にも謙虚な亜矢姫さまですが、相当に躊躇された上での決断
ではなかったかと想像されます。
しかし、「案ずるより産むが易い」の言葉通り、劇場側の思惑は見事に当り連日多くのお客を集めて
双方目出度し目出度しの結果となったことは、亜矢さまにとって何より嬉しいことであったに違いあ
りません。

この公演では熱い思いのファンの皆様の後押しがあったし、多くの隠れファンの方々もおられた。
その他、亜矢姫さまの名声に呼び寄せられた一般客も多くおられた。そんな様子がファンが集う掲示
板やブログ等に多く掲げられました。

7月は首都公演ですが、大阪での実績を踏まえれば成功間違いなしと思えます。亜矢さまも余念を挟
まずに芝居に歌にと力を集中されるでしょうから、ますます円熟した芸が披露されることでしょう。
明治座公演を心待ちになさっておられる方も多いと思いますが、後しばらくで思いが成就しますね。

 
さて、私は三日目と千穐楽を観賞させてもらいましたが両日とも期待通りの楽しみを享受することが
出来ました。
ただ、お芝居においては日替わりで少しづつ変化があったとの掲示板情報も得ていましたが、三日目
と千穐楽では何がどう変わったのやら、うろ覚えのところもあって皆目見当もつきませんでした。
リピーターさんも多かったでしょうから、少しづつ変化をつけて楽しんでもらうという手立てがあっ
たのかも知れません。

このお芝居の最大の山場は、左トン平さん演じる‘藤七’が人としての情に葛藤して選んだ道が孫娘
に対して、果たして良かったのか悪かったのか、‘お紋’はどういう返事をくれるのか、・・・
この辺りからのやりとりが情にほだされる場面で、見ているほうも感情が激して涙が自然と溢れ出る
・・・これが三日目に見た芝居でした。
しかし、千穐楽ではセリフは同じはずなのに、感情の同化や高ぶりが起きてこない、というより稀薄
になっている。なんでこうなるのか、気が付かないところで何か変化があったのか、それとも自分が
見慣れたせいで感激が薄くなったのか、ここのところがよく解らなかった。
ここの感想は同行した連れ合いも同じだったから、あながち自分だけの感性が鈍っていただけとも思
えない。
・・・東京のお客さんにも感涙に咽んでもらいたいと思うから、ここのところは最高の演出、演技を
披露して頂きたいと切に願っています。

ところで、歌い手さんの劇場公演といえば劇場側のお仕着せかどうか知らないけれど、お芝居と歌謡
コンサートの2本立てとういうのが定番になっていると思います。それはそれで伝統のある仕立て方
だと思いますが、いささかマンネリに過ぎないかしらと疑問に思えるときがあります。
いつぞやの公演の時のように、歌謡コンサートだけをリピートで観賞される方もおられるから、その
ようなファンの欲求を満たす何か新機軸なものを創案して上演して貰えないものかと考えたりするこ
ともあります。

近年、NHKテレビで放送された、片岡千恵蔵主演の映画『鴛鴦歌合戦』を見ましたが、コメディー
仕立てのミュージカル時代劇になっていて、とても見応えがあって面白いものでした。1939年頃
にこんな斬新な発想があったことにも驚きました。
亜矢姫さまの劇場公演も、姫さまの特質を生かした独特のものを創り上げて欲しいと思うのですが、
如何でしょう。スーパーバイザーという力持ちもおられることですから、その気になれば何でも出来
そうに思えるのですが、やはり先頭を走るのは亜矢姫さまであって欲しい。

さて、歌謡コンサートですが、いつものように洋楽も取り入れての圧巻の歌声を聴かせてもらいまし
たが、とても素晴らしかったと思います。
ただ、姫さまの場合は持ち歌の多彩さから、どこから取り上げても千変万化のパフォーマンスを披露
して頂けるはずですが、如何せん限られた時間内では個々人が望むものをすべて満たして貰うのは無
理な事で、その日演じられ歌唱されたものを思い出として記憶に留めるほかは無い。

最後に出演者全員が舞台に上がって賑やかに唄われた『亜矢の祭り』は『独楽』のカップリング曲で
星野哲郎先生の作詞なんですね~。今頃気が付くなんてと、笑われそうですね。
最後に、一つだけ、余計なことだと叱られるかもしれませんが、セ・シ・ボンのときのタキシードの
上着がちょっと窮屈そうで、後ろ向きになったときに皺が目立って見えましたが、あれはあのような
仕立てなのだろうかと余計なところに目がいってしまいました。
いずれにしても古い人間からすれば、天下の亜矢姫さまだからパリットしたもので見せて欲しいと思
いましたね~、欲張りですかね~。
今度はビデオ撮りもあることだろうし、お似合いのパリットしたもので願いたいと思うのですが、何
せ古い人間の言い草ですから間違っていたらご免なさい。

新歌舞伎座・島津亜矢公演を観劇してきました。

出向いたのは6月6日、晴れの良い日でした。
「お紋の風」のこと
又三郎がお紋に馴れて親しくなったのは、お紋が板前に鯊(はぜ)のあらいと注文を通したのに黒鯛
を俎板に乗せていたので、鯊も分からないのは、あんまりだと吹き出し笑いをしてからのことだ。
お紋にしてみれば、あんな見てくれの悪い鯊を黒鯛と間違えるなんて板さんもどうかしていると思っ
て可笑しくて仕方なかったのだろう。
板前が鯊と黒鯛を間違える訳はない・・・特に鯊のあらいは絶品だから今日無いのは惜しいが、黒鯛
しか無いのであればそれも仕方ない。又三郎はそう思って気にも留めない。

しかし、又三郎はお紋のこんな無邪気な心根と仕草がとても印象に残って可愛いかったのだ。これが
そもそものなれ初めだった。

料理茶屋の蔦萬は両国橋西側袂の広小路を少し南へ下がった米沢町にある。古地図にはこの地名がち
ゃんと記載されているから山本周五郎さんの小説ではこの界隈をプロットしている。
両国橋を渡って突き当りが元町、少し右へ折れて堅川縁を東に行くと一ノ橋、二の橋、三の橋(三つ
目橋)とあって、この三つ目橋を渡ってすぐ川沿いに徳衛門町がある。お紋と藤七爺さんが住む長屋
はこの徳衛門町にある。
又三郎の屋敷は二の橋の辺りだからお紋と藤七爺さんの長屋へ行くにはそんなに遠くなかった訳だ。

「お紋の風」は山本周五郎が江戸下町を舞台に市井の人々の人情を描いた小説「野分」が原作である
ことを六車さんがプログラムの一頁に書いておられる。
脚本・演出は六車俊治さんによるから、この舞台公演は本邦初演ということになる。記憶に残る歴史
的公演と言って良いかもしれない。
観劇する人々はこの歴史的一齣に立ち会って舞台に引き込まれて始終を見守る訳だが、お紋をとりま
く人々の人情が篤く演じられていて心も和む。そして最後はとてもとても深い人情の機微にふれて、
熱い涙を流さずにはいられなくなる。
島津亜矢さんを中心に、彼女を支える役者さん達の布陣も豪華だし皆さんの名演も見ごたえがある。
ひとつだけ欲を言わせてもらえれば、前半の運びがややもっさりしている感じで、この先どう展開さ
せるのかと、心配とじれったさを感じさせるところもあったが、これは個人の感想で、最後を観れば
こんなこと杞憂に過ぎなかったことに気が付く。

それでもね、茶屋の場面などでは外から新内流しの声でも遠く聞こえてくれば、江戸情緒をもっと感
じられたかもな~と、素人ながらに思ったりしている。
とにかく観て良かったと思えるお芝居だから、これから劇場に足を運ばれる方はどうぞお楽しみに。


コンサート「劇場版スペシャル」のこと・・・
歌われる曲目は有料プログラムにしか掲載がありませんので、購入されると役に立ちます。

開演早々に唄われる2曲、「帰らんちゃよか」と「感謝状~母へのメッセージ」
改めて聴かせてもらう名曲ですが、しみじみと心に沁みてきます。やっぱり、やっぱりです。
この後に「風雪ながれ旅」も唄われます。

以下は亜矢姫が今回唄われるカバー曲の数々
「星に願いを」~ディズニー映画『ピノキオ』の主題歌で世界中の人に知られている歌。映画は見て
 いないが歌は昔聞いたことがあります。
 ♪星に願いをかけるなら 君がどんな人なんて関係ない 心から願う事は 叶うんだよ・・と歌う
 亜矢姫の美しい歌声をどうぞ・・・

「チキ・チキ・バン・バン」~1968年製作のイギリスのファンタジー・ミュージカルの中で歌わ
 れた。チキ・チキ・バン・バンは作中に登場する車両の名前だという。この車、空を飛ぶそうな。
 亜矢姫は乗りよく楽しく歌います。・・・

「オー・マイ・パパ」~1953年に出したエディー・フィッシャーのミリオンヒット曲
 日本では昭和29年、井田誠一が訳詞し雪村いずみが歌った。
 亜矢姫の歌声でどうぞ・・・

「セ・シ・ボン」~セ‐シ‐ボン(フランス語 C'est si bon.)意味:とても素敵。素晴らしい。
 C'est si bonは、イヴ・モンタンのヒット曲として知られている。
 最初にフランスで発表されたときには余り流行らなかったのを、ルイ・アームスト ロングが英語
 で歌ってから注目された。それをイヴ・モンタンが フランス語で改めて歌うようになり、彼の代
 表曲として爆発的にヒットした。
 亜矢姫のこの歌~余興もあって、観て聴いて楽しめる歌になっています。お楽しみに!!

「黄昏のビギン」~1959年発売の水原ひろしのシングル。
 永六輔と中村八大の共同作詞であり、中村八大が作曲している。永六輔は自身のラジオ番組でこの
 曲が自分の曲の中で一番好きなことと、作詞は全部中村八大がしたことを暴露している。(Wiki)
 この曲はアルバム「Singer3」に収録されていますからファンの方はお馴染ですね。

「Saiving All My Love For You」~このジャズ風のバラードは、既婚者の男性との不倫を歌って
 いて、すべての愛をその男性に捧げる内容である。
 1978年にマリリン・マックー&ビリー・デイヴィス・Jrのマイナーヒットである。ホイットニー・
 ヒューストンのカバーが有名(Wiki) これも「Singer3」に収録されています。

 以上のカバー曲以外は持ち歌です。

今回は懇意にして頂いている亜矢友さんの特別なお計らいで、図らずもめったに座ることの出来ない
席で観劇させて頂くことになり感激もひとしおでした。よく見えて、良く聞こえて、高齢者には誠に
もって絶好のお席を有り難うございました。そして同伴者には姫さまから染め手拭いを放って頂くや
ら忘れ難い観劇の一日になりました。

あと、こうだったらもっと良かったのにと、思えたことを少しだけ書かせてもらいます。
◎洋楽が終わって名作歌謡「お梶」に変わるまでの幕間に男女の役者さんによって「曽根崎心中」が
 踊られるのですが、何故亜矢姫の「お初」を用いなかったのか、素朴な疑問が残りました。
◎「お梶」では大道具を使ってのミニ版名作歌謡劇場になっていましたが、セリフもかなり増やされ
 ていて大長編になっていました。相当なご苦労をされたのではないかと推察しています。
 ただ、「この黒髪をぷっつりきって冥途の旅へ・・」のところで鬘なしでの演技では如何にも違和
 感が残りました。暑さの中、無理強いしてはいけませんが、天下の島津亜矢さまの公演ですから、
 やっぱり重厚感は欲しいと思いました。
以上、好き勝手な言い草ですから、お気に召さない向きの方はどうかご勘弁を願います。
こねこ時計 ver.3
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    Author:ふうてんの猫
    亜矢姫の唄は芸術だと固く信じているおじんです。
    コンサートなどに参加したい気持ちはやまやまなれど、不如意のことが多いので、これは条件が整い次第となっています。

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