音楽に向き合う志操

5月2日NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で「日本の未来を切り拓け!松岡修造×スーパー
高校生スペシャル」が放送されました。
取り上げられたのはピアニスト、ゴルファー、プログラマー、ボクサーの中から未来を担うと見込ま
れた若者4人でしたが、ここで紹介させて貰うのははピアニストの牛田智大(ともはる)君16歳の
こと。番組ホームページでの本人紹介プロフィールでは下記のようになっています。

好きとも嫌いとも言ってもらえない演奏はしたくない。!!
「クラシック界に旋風を起こす若きピアニスト、牛田智大くん(16)。国際的なピアノコンクール
で8歳から5年連続1位の快挙。12歳でプロデビューして以来、国内外の交響楽団と共演を重ねて
きた。
牛田くんは、数百年前から幾度となく演奏されてきたクラシックの名曲たちを、自分なりの新しい解
釈で演奏することにこだわる。そのために徹底的に楽譜を読み込み、これまで光を当てられてこなか
った隠れたメロディーを見つけ出す。
コンサートに足を運んでくれる聴衆に、その曲の新たな魅力を伝えたいという思いがそこにはある。

独自の解釈を色濃く出す牛田君の演奏に対しては、クラシック界では賛否がわかれるが、牛田君は
貫く。
「この演奏はある意味で嫌うお客さんも必ずいるんですけど、でも好きとも嫌いとも言ってもらえな
いような演奏はやっぱりしたくないなと思うんですよね。」
そして、番組中では譜面の低音部(左手)の弾き方を微妙に変えることによるニュアンスの違いを聴
かせてくれました。

若干16歳にして自分の音楽に向き合う志操を確立しているのが凄いと思いましたが、諸々のことを
を恐れないその潔さも素晴らしいと感じました。まだまだ若い方ですから今後どのような遍歴を経て
発展を遂げていかれるのか注目されますが、音楽家も色々な方がおられて多彩ですね。

上の紹介文にあるように牛田君が目指す「独自の解釈を色濃く出す演奏」という言葉にとても惹かれ
たのですが、そう言えば、演歌、歌謡曲でもある歌をカバーして唄う場合に個性を出して唄う人もい
れば真似歌を目指す?あるいはそうとしか思えない人もいる。

例えば、島津亜矢さんが唄う場合は事前に元歌の歌手の歌声はほとんど聴かないという話を何かで読
んだことがあります。亜矢さん一流の志操を持って唄っておられるのだということがよく解る話です
が、唄われる歌からは独自の解釈(この解釈力が素晴らしいと思える)が加わった歌になることが多
いように思います。
これが歌を感動的なものにする原点であり、果ては類い稀な歌唱力と美声でもって全体を仕上げてい
くのですから聴き手はその声のするほうに誘われていく。聴衆を忘我の境地に誘い出すことが出来る
希代の歌い手さんだと言えると思うのですが、言い過ぎでしょうか。

亜矢さんは、ドデカイ空気袋の出口を自在に操って唄われるような感じがしますが、その歌のヒダヒ
ダまでが聞こえてくる時があります。こうして出てくる歌声は新鮮味があって説得性があるから聴衆
はその歌世界に引きずり込まれてしまうのでしょう。
ただ、ヒダヒダまで聴こうとするとCDなどをじっくり聴きこまないと気がつかないこともあります
が、それを発見したときはウ~ンと唸るほどの歓びがあります。

最近楽しめたことと言えば4月17日に放送された、みよし市からの「新BS日本のうた」でしたが
スペシャルステージにご出演の亜矢さんと水森さんが歌われたのは戦後・昭和の名曲の数々でした。
お二人が曲紹介をすれば、客席がどっと沸く、これぞ北島三郎さんがよく言われる聴衆とのキャッチ
ボールで歌謡ショーの醍醐味が味わえたように思いますが、現場で立ち会われた方々の歓び楽しさは
如何ばかりだったろうと察せられました。

この時亜矢さんは「別れの一本杉」も唄ってくれたので、私にとって長年の念願が叶って満足感が得
られたのですが、カラスの事だとばかり思っていた懸巣(カケス)が、鳴きまねの上手な別な鳥で、
こらえ切れずに泣いた時、一緒に泣いてくれたんだとすれば、歌詞の意味も断然深くなりますね~。
いやはや、無知は恐いと言わざるを得ないのですが、これも亜矢さんが教えてくれたことでした。

亜矢さんが先鞭をつけ中興させた三波春夫さんの『歌謡浪曲』の事ですが、何故か最近ご自身が唄う
ことが無くなってしまっています。何か特別な事情でもあるのかしら疑念を抱くのですが、権利事務
所との歌い継ぐ契約を解消したという話は聞かないので、一時的に封印しておられるのであれば、い
つかまた、聴かせてくれる時もあるのだろうと期待しています。

最近、若手の歌い手さんがカバーして歌っているのをテレビで視聴しましたが、長年親しんできた
亜矢さんの歌声を知る者にとっては、いささか物足りない感じがしました。
少し前、八島美夕紀さんが三○ひろしさんに手取り足取り教えて三波春夫さんを歌い継ぐのはこの人
で、声や所作まで似ていると絶賛している記事をカラオケ雑誌で見ましたが、なるほど八島さんは父
親そっくりに歌ってくれることを望んでおられるのだ、との思いを強くしました。
それが証拠に三○ひろしさんは歌う時の手の組み方まで踏襲されて(させられて)いて、お臍の下あ
たりで左手の掌のうえに右手の掌を被せて組んで唄う。なるほどこれは三波さんそっくりだ。

さて、三波春夫さんの『歌謡浪曲』を、最近若手の歌い手さん達が舞台やテレビで歌うようになった
ことは歌謡界にとっては良いことだと思います。
しかし、このジャンルの歌は難しい。唄い方の変化で聴くものの血をたぎらせ肉を躍らせることが出
来るようになるまでには艱難辛苦の苦労があってこそのことだと思うのです。
そっくり真似でもいけないし、それらしく歌えても核心を衝く歌い方が無ければ、聴衆は納得しない
のではないでしょうか。温故知新を亜矢さんのごとく実践すべしと思うのですが、ひょっとしてそれ
は権利者が容認しないかしら?いや、これは憶測です。

創作した三波春夫さんは名実ともに偉大な業績を残しておられます。また、世に天才と謳われる亜矢
さんが唄ったことによる功績も大きなものがあったと思います。亜矢さん抜きに現状のことは語れな
いはずですから、何方も此方も謙虚さをモットーとしなければいけないのではないかと、そんな気が
します。
亜矢さんが唄わないことに何か事情があるのであれば、その解決にテイチクさんの出る幕はないので
しょうかね~。

以前、こんな事を書きました。
   歌謡浪曲との邂逅

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頷くことが多かったです

とても印象に残る内容です。
ピアニストの生田くんの特集番組は私も見ました。
あのクラシック曲での個性を出そうという意気込みには感心しました。

亜矢さんにもそんな雰囲気を感じるという指摘、言われてみればそうですね。

最近何故か歌われないようですが、亜矢さんの歌謡浪曲は抜群ですね。
「俵星玄蕃」「高田の馬場の決闘」は特に好きです。
三波さんのと聴き比べてみても、ドラマ性、芸術的にも上回っております。
三山さん、山内さんののも聞いたことがありますが、胸に届きません。
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    亜矢姫の唄は芸術だと固く信じているおじんです。
    コンサートなどに参加したい気持ちはやまやまなれど、不如意のことが多いので、これは条件が整い次第となっています。

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