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中日劇場お別れ公演

先月30日に、名古屋中日劇場で島津亜矢さんの座長公演を観賞してきました。
いまさら間延びした観賞記など、ちょっととぼけた感じがしないでもありませんが、感じたことなど
を思い出しながら、すこしだけ綴ってみたいと思います。
思えば、当劇場は来年3月にすべての公演を中止し、ビルそのものも再来年には取り壊しとなるそう
です。そして新しいビルに設けられる劇場はごく小規模のものになるそうですから今回のような大劇
場での島津亜矢さんの公演は事実上の最後の公演となったことになります。

大きい劇場でしたからねえ、休憩時間に上階の方も覗いてみましたが、まあ、お客さんの多い事、亜
矢さんの人気をいまさらながらに思い知りました。ちょっと、もたもたしたのが悪かったのだが、売
店でコーヒー頼んだら、売り切れで御免なさいでした。
そうだう、そうだろう、亜矢姫人気だからねえ~。亜矢姫さんが向かうところ、旋風が巻き起こって
ご利益をまき散らすからね~。猫も杓子もみんな潤う。

「人気で呼んで、芸で納得させる。芸で呼んで、人気をつける。いずれにせよ、芸の精進こそが芸人
の王道。」という口伝があります。・・・と、御園座での「会津のジャンヌ・ダルク」を演出された
北村文典さんが、このときの特別公演の小冊子の1ページを飾って応援のメッセージを寄せておられ
たが、まさしくこの言葉が当てはまるではありませんか。

亜矢さんの座長公演も2012年の「会津のジャンヌ・ダルク~山本八重の半生~」から始まって
2013年「獅子の女房~阪田三吉の妻・小春の生涯~」2014年「おしずの恋」2016年
「お紋の風」(大阪、東京)と続き2017年「お紋の風」(再演)となっていますから、座長公演
のノウハウも相当に身に着けられたことでしょうし、盤石の基盤ができたと言えるのではないでしょ
うか。
これらを強いて歌舞伎風に例えれば一作目が「荒事」、その他の物が「和事」と言えるのではないで
しょうか。「和事」のお芝居は役者さんの芸で売らなければならないから、ある意味「荒事」のお芝
居より、より難しい面があるのではないだろうかと思われます。
藤十郎がお梶にかりそめの恋を仕掛けて女の心情をえぐりだして盗み、自身の芸に生かしたことなど
芸に生きる姿は凄まじい限りです。

今度の「お紋の風」もおおむね評判が良いようでしたが、自分とって感動が深かったかと言えば、そ
うでもなかった。
「おしずの恋」の時は非人に落ちぶれる栄二を追って悲嘆にくれる、おしずを演じた亜矢さんは名演
だったと思うが、「お紋の風」では山場となるような場面があまり無かったように思います。

また、総じて音楽の使い方が、あまりこなれていなかったように思いました。
歌舞伎では黒御簾から場面に応じた効果音として太鼓・鼓などの楽器が演奏されてその場を盛りあげ
ることが為されるし、映画でもテーマ音楽も含めて場面に応じて効果的な音楽が奏されて情景を盛り
上げる事がなされる。
その点舞台でのお芝居は、役者さんの個人芸に頼るばかりで、総合芸術の域には未だしの感があるの
ではないかと思いました。
以前に、ウエストサイド物語やジーザス・クライストスーパースターの舞台公演をを見たことがありま
すが全体に動きがあって退屈しなかった。もちろん、ミュージカルと普通のお芝居を比較してはいけない
が、お客さんを楽しませる工夫は必須の命題だから力を入れて取り組まれたと思いますが、今回のお
芝居では、いまいちそれが伝わってこないきらいがあったように思います。

ところで、今回のお芝居で音楽を担当されたのが吉野ユウヤさんとおっしゃる方ですが、ホームペー
ジを覗いてみるとピアノソロで素晴らしい楽曲を披露されている。今回のお芝居でも、もっともっと
この方の音楽を取り入れて進行したならば、お芝居そのものも全く違ったイメージに浸ることが出来
たに違いないと思ったりしています。
Twitterを拝見するとミュージカルなども手掛けておられるようだから、いろいろな方との繋
がりを生かして亜矢姫さまの新しい芸の展開を次々と披露していただきたいものと思います。

公演2部の歌の方は、セトリに組まれたものをひたすら聴かせてもらうだけなのですが、今回は「一
本刀土俵入」を歌と芝居で観させてもらったのは望外の喜びでした。
剣技プロ集団と研鑽を重ね見事に演じきったのは、努力を惜しまない亜矢姫の芸人魂炸裂でした。あ
の腰の据わり具合はお見事でしたが、こんな殺陣をみせられては、○島さんの国定忠治も敵わない。
その他歌唱曲等、とかくの欲を言っても始まりませんが、ただホール音響だけは良い音を期待するの
ですが、今回のホールはおおむね満足させてもらいました。

さて、紅白ではどんな歌を聴かせてもらえるのか楽しみですが、美声に浸りきれる圧倒的なシチュエ
ーションをしつらえて聴かせてもらいたいものと願望しています。


いまアルバム「鏡花水月」の中の「女」を聴いています。
幸せいっぱいに暮らしていた最愛の彼が遠いところにいってしまった。忘れ得ぬ思い出を胸にあれこ
れ思いをめぐらすが満たされることはない。でも生きるすべはあなたとの想いでの中にしかない。・・・
切ない内容を夢見る思いに誘いながら私は何時もあなたと一緒よ、いつまでもいつまでも貴男
と一緒にいるから・・・深い深い愛が切々と唄われています。良い歌ですねぇ~。

このアルバムの栞では百瀬晴男さんが「追憶の破片」「おきな草」「夢見鳥」「八尾恋歌」「富士」
「越後路ながれ旅」などを取り上げて解説を加えておられますが、取り取りの名曲がちりばめられて
いて、まさに名盤と言えるのではないでしょうか。
しかし、公式サイトのアルバムリストの中に見えないのは何故でしょう。もし廃盤となっているので
あれば再販を考えて頂きたいものです。

SINGERシリーズは人気のアルバムとなって良く売れたようですが、4枚の中、亜矢さんの持ち
歌は「想いで遊び」ただ一曲しか無いように思います。
売れることは良い事ですが、小椋 佳さんや井上陽水さんのアルバムが売れたのとはちょっと事情が違
います。こちらは全てオリジナルの持ち歌ばかりですからその重みが違うと思います。
カバー曲も亜矢姫の歌唱にかかれば、元唄になかった魅力が引き出されることが多くて楽しみなので
すが、一曲毎に取り上げれば、これは元唄誰彼となるのが如何にも寂しいと思うのです。

亜矢さんの持ち歌も好もしい楽曲が一杯あるのですから、これらの中から時代にマッチしたものを選
曲し、アルバムを制作すれば素晴らしいものが出来上がると思うのですが、だめなのでしょうか。
「鏡花水月」「悠々」「温故知新」その他、より取り見取りだと思うのですが。

東京オペラシティーでは「帰らんちゃよか」と「ガンダムのテーマ」を唄われたそうですが、島津亜
矢ここにありを示されてとても良かったと思います。そうでなけりゃ亜矢姫の名が廃る。

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No title

 こがれもん様
私も鏡花水月のアルバムが好きでよく聞いています。
書かれてあります「女」の曲調が特に好きで、亜矢姫しか歌えないメロディーだと思っていました。ただ、詩の内容がよくわからなかったのですが、貴殿の解説で、納得がいきました。なぜ、金襴緞子の花嫁衣装を着て三途の川を渡るのか、あなたはもう亡くなっていたのですね
小生の読み込みが足りないことを痛感しています。
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    亜矢姫の唄は芸術だと固く信じているおじんです。
    コンサートなどに参加したい気持ちはやまやまなれど、不如意のことが多いので、これは条件が整い次第となっています。

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