新歌舞伎座・島津亜矢公演を観劇してきました。

出向いたのは6月6日、晴れの良い日でした。
「お紋の風」のこと
又三郎がお紋に馴れて親しくなったのは、お紋が板前に鯊(はぜ)のあらいと注文を通したのに黒鯛
を俎板に乗せていたので、鯊も分からないのは、あんまりだと吹き出し笑いをしてからのことだ。
お紋にしてみれば、あんな見てくれの悪い鯊を黒鯛と間違えるなんて板さんもどうかしていると思っ
て可笑しくて仕方なかったのだろう。
板前が鯊と黒鯛を間違える訳はない・・・特に鯊のあらいは絶品だから今日無いのは惜しいが、黒鯛
しか無いのであればそれも仕方ない。又三郎はそう思って気にも留めない。

しかし、又三郎はお紋のこんな無邪気な心根と仕草がとても印象に残って可愛いかったのだ。これが
そもそものなれ初めだった。

料理茶屋の蔦萬は両国橋西側袂の広小路を少し南へ下がった米沢町にある。古地図にはこの地名がち
ゃんと記載されているから山本周五郎さんの小説ではこの界隈をプロットしている。
両国橋を渡って突き当りが元町、少し右へ折れて堅川縁を東に行くと一ノ橋、二の橋、三の橋(三つ
目橋)とあって、この三つ目橋を渡ってすぐ川沿いに徳衛門町がある。お紋と藤七爺さんが住む長屋
はこの徳衛門町にある。
又三郎の屋敷は二の橋の辺りだからお紋と藤七爺さんの長屋へ行くにはそんなに遠くなかった訳だ。

「お紋の風」は山本周五郎が江戸下町を舞台に市井の人々の人情を描いた小説「野分」が原作である
ことを六車さんがプログラムの一頁に書いておられる。
脚本・演出は六車俊治さんによるから、この舞台公演は本邦初演ということになる。記憶に残る歴史
的公演と言って良いかもしれない。
観劇する人々はこの歴史的一齣に立ち会って舞台に引き込まれて始終を見守る訳だが、お紋をとりま
く人々の人情が篤く演じられていて心も和む。そして最後はとてもとても深い人情の機微にふれて、
熱い涙を流さずにはいられなくなる。
島津亜矢さんを中心に、彼女を支える役者さん達の布陣も豪華だし皆さんの名演も見ごたえがある。
ひとつだけ欲を言わせてもらえれば、前半の運びがややもっさりしている感じで、この先どう展開さ
せるのかと、心配とじれったさを感じさせるところもあったが、これは個人の感想で、最後を観れば
こんなこと杞憂に過ぎなかったことに気が付く。

それでもね、茶屋の場面などでは外から新内流しの声でも遠く聞こえてくれば、江戸情緒をもっと感
じられたかもな~と、素人ながらに思ったりしている。
とにかく観て良かったと思えるお芝居だから、これから劇場に足を運ばれる方はどうぞお楽しみに。


コンサート「劇場版スペシャル」のこと・・・
歌われる曲目は有料プログラムにしか掲載がありませんので、購入されると役に立ちます。

開演早々に唄われる2曲、「帰らんちゃよか」と「感謝状~母へのメッセージ」
改めて聴かせてもらう名曲ですが、しみじみと心に沁みてきます。やっぱり、やっぱりです。
この後に「風雪ながれ旅」も唄われます。

以下は亜矢姫が今回唄われるカバー曲の数々
「星に願いを」~ディズニー映画『ピノキオ』の主題歌で世界中の人に知られている歌。映画は見て
 いないが歌は昔聞いたことがあります。
 ♪星に願いをかけるなら 君がどんな人なんて関係ない 心から願う事は 叶うんだよ・・と歌う
 亜矢姫の美しい歌声をどうぞ・・・

「チキ・チキ・バン・バン」~1968年製作のイギリスのファンタジー・ミュージカルの中で歌わ
 れた。チキ・チキ・バン・バンは作中に登場する車両の名前だという。この車、空を飛ぶそうな。
 亜矢姫は乗りよく楽しく歌います。・・・

「オー・マイ・パパ」~1953年に出したエディー・フィッシャーのミリオンヒット曲
 日本では昭和29年、井田誠一が訳詞し雪村いずみが歌った。
 亜矢姫の歌声でどうぞ・・・

「セ・シ・ボン」~セ‐シ‐ボン(フランス語 C'est si bon.)意味:とても素敵。素晴らしい。
 C'est si bonは、イヴ・モンタンのヒット曲として知られている。
 最初にフランスで発表されたときには余り流行らなかったのを、ルイ・アームスト ロングが英語
 で歌ってから注目された。それをイヴ・モンタンが フランス語で改めて歌うようになり、彼の代
 表曲として爆発的にヒットした。
 亜矢姫のこの歌~余興もあって、観て聴いて楽しめる歌になっています。お楽しみに!!

「黄昏のビギン」~1959年発売の水原ひろしのシングル。
 永六輔と中村八大の共同作詞であり、中村八大が作曲している。永六輔は自身のラジオ番組でこの
 曲が自分の曲の中で一番好きなことと、作詞は全部中村八大がしたことを暴露している。(Wiki)
 この曲はアルバム「Singer3」に収録されていますからファンの方はお馴染ですね。

「Saiving All My Love For You」~このジャズ風のバラードは、既婚者の男性との不倫を歌って
 いて、すべての愛をその男性に捧げる内容である。
 1978年にマリリン・マックー&ビリー・デイヴィス・Jrのマイナーヒットである。ホイットニー・
 ヒューストンのカバーが有名(Wiki) これも「Singer3」に収録されています。

 以上のカバー曲以外は持ち歌です。

今回は懇意にして頂いている亜矢友さんの特別なお計らいで、図らずもめったに座ることの出来ない
席で観劇させて頂くことになり感激もひとしおでした。よく見えて、良く聞こえて、高齢者には誠に
もって絶好のお席を有り難うございました。そして同伴者には姫さまから染め手拭いを放って頂くや
ら忘れ難い観劇の一日になりました。

あと、こうだったらもっと良かったのにと、思えたことを少しだけ書かせてもらいます。
◎洋楽が終わって名作歌謡「お梶」に変わるまでの幕間に男女の役者さんによって「曽根崎心中」が
 踊られるのですが、何故亜矢姫の「お初」を用いなかったのか、素朴な疑問が残りました。
◎「お梶」では大道具を使ってのミニ版名作歌謡劇場になっていましたが、セリフもかなり増やされ
 ていて大長編になっていました。相当なご苦労をされたのではないかと推察しています。
 ただ、「この黒髪をぷっつりきって冥途の旅へ・・」のところで鬘なしでの演技では如何にも違和
 感が残りました。暑さの中、無理強いしてはいけませんが、天下の島津亜矢さまの公演ですから、
 やっぱり重厚感は欲しいと思いました。
以上、好き勝手な言い草ですから、お気に召さない向きの方はどうかご勘弁を願います。

荒尾の名演 BS日本のうた再放送

やっぱり島津亜矢さんの唄芸は視る者を虜にしてしまいますね。我をも忘れさすほどの名人芸だとつ
くづく感じさせられました。
2002年5月11日に放送された熊本県荒尾市にて収録の「BS日本のうた」の再放送(スカパー
銀河)があったので視聴しましたが、瞬きも忘れさせる程のパフォーマンスは正に圧倒的で異能の歌
姫だとの思いを新たにしました。

初回放送時、録画もしてDVDにバックアップもしたのですが録画機が不調となり何れも再視聴不能
になっていたので、今回の再放送はもの凄く嬉しかった。
特に今はスカパー銀河もハイビジョン放送になっているので、この点も楽しみが増えましたね。
当時は確かBS2での放送で画質もあまり良くなかったような記憶があるのですが、今回のは通常の
HD映像より多少落ちるかなというぐらいの画質でしたが、それでも放送自体がHVだから見始めて
しまえば十分に美しくて期待通りでした。
当時私は、何も知らず偶然に視聴しましたから視聴後の印象で凄い歌い手さんがいるものだと新鮮な
驚きを覚えたのを思い出しますが、この放送から島津亜矢という名前が脳裏に深く刻まれました。

そう言えば、当時の小泉総理もこの番組を視ておられて凄い歌手だと言われたとかいう話も後で伝え
聞きましたが、小泉さんでなくてもこのパフォーマンスを見せつけられたら、誰でもがそう感じたに
違いありません。そういう意味で、知る人ぞ知る世界で積み上げた至芸はこの放送を契機に広く世間
に知られることになったと思われるのですが、それでもまだまだ世間は広いから知名度において直ぐ
には人口に膾炙するとまでは行かなかったように思われます。

この時のワンマンショーでの歌唱曲は [都会の雀] [演歌桜] [波] [俵星玄蕃] [ひばりの佐渡情話]
[夜桜挽花] [おさん] でしたが、特に名作歌謡劇場から台詞の入る [おさん]を入れ、三波さんの歌
謡浪曲 [俵星玄蕃] を入れるなどパフォーマンス性から言って圧倒的な構成でした。
この若さで、この唄いっぷり、この台詞回し、この歌唱と演技、どれをとっても質が高いと思わせる
ものばかりでしたから、我をも忘れさすほどの名人芸だと感じたのは必然でした。

ちなみに、この時共演された歌手の方は、ペギー葉山、大月みやこ、松村和子、松原のぶえ、香田晋
五代夏子、藤原浩、城之内早苗、門倉有希、石原詢子、嶋三喜夫、氷川きよし、の皆さんでしたが、
メインのパフォーマーが特別の人だと視る方も気合が入るのか共演の歌い手さんの歌にも身が入る。
司会は宮本アナウンサー、構成演出は後の呉での[瞼の母]を演出された福家菊雄さんでしたから、コ
ンビとしては申し分ない方々でした。
しかし、亜矢さんの一気に7曲もの圧倒的パフォーマンスを目にされた同業歌手の方々の心境たるや
如何だったでしょうか、少なくとも演歌歌謡曲の未来に明るい光を見たのは間違いの無いところだと
思います。もう一つの面から言えば、亜矢姫のゆるぎない実力を世に問い、頭角を顕著に現すきっか
けになったことも間違いの無いところだと思います。まさに歴史に1ページを刻んだ記念碑的番組だ
ったと思うのです。

スカパー銀河では、繰り返しの放送もあるようですから未だ視ておられない方は時々番組表でチェッ
クされては如何でしょうか。(BS日本のうた#24)


28日は歌謡コンサートを視聴しました。
[海鳴りの詩]を唄われましたが、やっぱりハギレが良くて言葉がはっきりしていて気持ちが良い。
亜矢姫は世間で歌が上手いと評されるが、歌に対する向き合い方が真摯で手抜きが無いことも大きな
特徴だと思います。歌唱テクニックはそれと思わせないようにごく自然使い分けられるように思うが
、例えばこの歌でも1番、3番とも最後にヤンサエーを繰り返すが3番の3回目のヤンサエーの終わ
りは息を絞らずに一気にピシャリと切り落としておられる。
専門的なことは分からないが、他の方ではあまり例をみないテクニックに思える。カラオケでいうフ
ォールとも違うのですねェ~。さて、何と言うのでしょうか、他にもテクニックがいっぱいあるので
しょうねェ。それが、人には見えない、見せないところがプロ中のプロだと言われる所以かも知れま
せん。

ところで、歌い手さんによっては時に本来の歌より違った「歌いまわし」をすることがあります。
妙におどけて歌って聴かせたり、歌い出しのタイミングをずらしたり、音の伸ばし方を変えたり、雰
囲気を変えたりして、いわゆる本来の歌を「くずして」別の味付けで唄われる場面を時々見かけます
が、こんな唄い方を専門語では「フェイク」(本来の意味は「ニセモノ」)と言うらしい。 歌の場
合はテクニックのひとつだとされているらしいのですが、私の場合、聴きづらくなることが多いし、
好きでは無いので殆んど敬遠します。
昔で言えば、ひばりさんがこういう唄い方をされる事が時々有りましたが、歌を小馬鹿して唄うと感
じられて、当時からあまり好きではありませんでした。

やはり、歌は正統派が一番ですよね。島津亜矢さんのように!!

テレビ桟敷での雑感

先週は島津亜矢さんがテレビやラジオに立て続けご出演されたので、録画、録音も念には念を入れて
の用意周到振り、普段に増して気分も高揚してとても良い一週間が過ごせました。

お芝居好きの方の中には見巧者と言われる方がおられると聞きますが、歌の方でも聞き巧者と言われ
る方がおられるかも知れません。もっとも、この場合は話の聞き上手のことを言うから意味合いがち
ょっと違ってくる。さしずめ、ここでは歌の聞き上手とでもしておきましょう。
こういう聞き上手な方は、亜矢姫ファンの中には大勢おられるのですが、私の身近な処で先ず思い浮
ぶのは掲示板『亜矢姫』談話室のオーナーご夫妻さまです。そりゃもう微細にわたりお詳しい。

これから書くのは聞き上手とは言えない“ふうてんの猫”が勝手気儘に書いて参りますので、読んで
下さる中にはお気に召さない点や間違いを指摘される部分が出てくるかも知れません。そこは下手の
勝手気儘としてお目溢し頂きたくよろしくお願いいたします。

先ずは、23日の歌謡コンサート「ひばりを歌い継ぐ」。
ここでは亜矢姫さまは「柔」でした。この番組では「柔」は亜矢姫が定番と言える程にもう何回も唄
われておられるから、しっかりと亜矢節の「柔」になっていると感じました。
前回と比べて今年は特にダイナミック度が増していた感じで、男の意気を見事に表現されていたと思
います。♪負けてもともと♪の頭のところで太い濁声のビブラート?で表現されるあたりは、他の方
ではあまり無いような聴かせどころに思えますが、亜矢姫の場合は歌に応じて多様に変化させる技を
お持ちだからこうなるのですね~。

ところで、ファルセットの事で由紀さんがひばりさんを比喩して、「低音、中間音、高音を同じ強さ
の高さで歌える方は他にはいらっしゃらない」と話され、五木さんも相槌を打っておられたが、これ
はちょっと言い過ぎではないですか、自分の知る限りと注釈をつけるならいざ知らず、このように言
い切ってしまっては、ちょっとドーダカナ~と疑問符がついてしまう。
まして、こういう言い方は自身を含め他の方をも貶めている言い方で、現役の歌い手の方々に失礼で
はなかったろうかと思えるし、ひばりさんを深く知らない若い方にとっては、フ~ンそうなのと思わ
れた方も居たに違いない。
話を出される時は他の方の歌を全て聞き知ってから言ってもらった方が納得が得られると思うから、
もし次の機会があれば、そのように願いたい。

亜矢姫がカバーする「哀愁波止場」はファルセットを見事に使って情感たっぷりに唄いきっておられ
るから、まず聴いてもらいたいものだ。You Tube ですぐに聴けますから。
「ひばりを歌い継ぐのは島津亜矢だ」と断言された中村メイコさんは「津軽のふるさと」では感涙さ
れていましたから、この言葉には十分に納得性がありました。ちなみに、この歌ではファルセットは
使っておられない。
ファルセットを使うのは歌によりけりで、ぴったり合えば情感が増すから特に女性歌手にとっては必
須の技でしょう。取り立てて話されるのは解るのですが・・。

また、今回の歌謡コンサートでは八代さんと五木さんが「愛燦々と」をコラボされて、前半では八代
さんのキーで五木さんが、後半では五木さんのキーで八代さんが唄われていましたがお二人とも相手
のキーで唄うときは声が消え入るようで苦しそうに聞こえましたが、それ程に他人のキーで唄うとい
うのは難しい事なのだと実感出来ました。
それでもね~、歌謡界では年功者を敬い立てるという不文律があるようでだから、今回の歌コンもそ
の例にもれず、「悲しい酒」と「川の流れのように」という名曲中の名曲はこのお二人に割り振られ
ていた。歌い終わって‘どや顔’されても、なんだかな~と複雑だ。(亜矢姫に唄わせろってんだ、
それが駄目なら「お島千太郎」だ!!・・・・・これは内緒)
実社会では年寄はだんだん引いていくものだが、この世界ではこの例に倣わないのが不思議なところ
ですね~。まあ、年寄を敬うのは秩序が立っていて良い事ではあると思うが・・・

まあ、今回の歌コンもいろいろと楽しめたから、この辺でおいとこ~っと。

27日にスカパーで昔の歌謡コンサートが放送されました。副題は「真夏の名人戦」
初回放送は平成14年夏のことで、13年前になりますがこの時すでに亜矢姫が出演されておられま
す。他のご出演は森進一、和田アキ子、小金沢昇司の皆さん。司会は現在朝のニュースでお馴染の
阿部アナウンサー。時間は55分もあって公平に4人が3曲づつ。それぞれ聴きごたえ十分でした。
亜矢姫の歌唱は「波」「大利根無情」「夜桜挽歌」。
7月4日にスカパー歌謡ポップスチャンネルで再放送があります。

24日はラジオで「ごきげん歌に乾杯」の放送がありました。
北島三郎さんが「俺のキーで亜矢が歌うんだ」話されて、「風雪ながれ旅」と「川」をお二人で唄わ
れましたが、成る程、亜矢姫は北島さんの1オクターブ上を唄われましたね~。
北島さんは男性では比較的音域が高い方だと思うのですが、亜矢姫は移調なしでオクターブ上を唄う
のですから、凄いものです。姫は吉幾三さんとのコラボでも吉さんのキーで唄われますねえ、これが
また惚れ惚れする程に、とてつもなく美しくて感動する(かあさんへ)。

28日の「新・BS日本のうた」も楽しみにテレビ桟敷で視聴。劇場公演では桟敷席など上がれない
のですが、その点テレビはちょい脇で見れます。特等席は誰って、そりゃあ~ま~言わずと知れたあ
の方ですニャン。
「姿三四郎」袴姿も良かったし歌も勿論良かった。しかし、この歌知りませんでした。
NHKの構成作家さん、色々と昔の歌を引っ張り出してきますから余程勉強されておられるのでしょ
う、いやはや感心します。

「独楽」これも良かったね~。聴けば頭にカッと血が上るほどに熱くなる名歌唱でしたね~。
「縁」でお馴染の作曲家、水森英夫さんがチップイン歌謡曲というラジオ番組を持っておられます。
カラオケ愛好者はかなり聴かれていると思いますが、少し前、この番組で「独楽」を紹介の時、
「素人さんがこの歌を唄うときは島津亜矢の真似をしようとは思わないで下さい」
「島津亜矢のようには絶対歌えませんから、自分流で唄ってもらえばいいです」そんな話をされてい
たのを思い出します。

亜矢姫の歌はやっぱり聴かせてもらう歌なのですね~。そうでなけりゃ、コンサートホールが満杯に
なる訳ないですもんね。今日の「さっぽろニトリ文化ホール」も、きっと満員になることでしょう。

なぜ 生きる

昨日、島津亜矢さんのシングルCDで、2006年から2009年にかけて発売されたものを何枚か
集めて聞き流していました。例によってセリフ入りの曲も多数あります。
『お吉』が発売されたのは2006年9月13日です。C/Wは旅笠道中。
歌の中に織り込まれている、お吉の独白が人生の苦悩を際立たせていて身につまされる思いがするの
ですが、しばらくお吉の境地に立ち入ってみましょう。

「ひどい!ひどいじゃございませんか いくら私がハリスの処へ行く事を承知したからといって・」

「鶴さんそりゃァ あんまりだァ たとえ 天城の山が崩れても このお吉を 離すもんかと言ったあ
れは嘘だったのかい あゝ こんな悲しい筋書きを誰が書いたんだい 夢さ 夢にきまってるよ・」

「あゝ お酒がほしいよう お酒で何もかも忘れてしまいたいのさ 愚痴も涙も涸れ果てました あゝ
あたしの人生ってなんだったんだろうねぇ」

「あゝ 寒い・・ 鶴さん 今行くからね」・・・生きる希望を失ったお吉は自ら命を絶ちます。

この『お吉』の作詞は志賀大介さんです。お吉の心情をかくも悲しく描き切って人々の感情を同期さ
せずにおかない筆力は、とてつもなく素晴らしいものだと思います。
そして島津亜矢さんの歌唱も、これまたとてつもなく素晴らしいと思います。感動があってこその
芸術だと思いますが、人の心に入り込まなければ感情の同化は得られないし感動も得られない。
そんなところに、創作家の計り知れない人間洞察力と試行錯誤があったに違いないと思えます。
この歌は真の歌謡芸術だと思うし、一時の流行歌に終わらない格調があると思います。島津亜矢さん
の持ち歌にはこんな芸術作品が他にたくさんあるんですね~。素晴らしい!!

志賀先生は『日本音楽著作家連合』の会長さんです。
ちなみに、初代会長は藤田まさと先生(旅笠道中、大利根月夜、岸壁の母)、第2代会長は星野哲郎
先生(なみだ船、男はつらいよ、兄弟船)、第3代会長は松井由利夫先生(だから云ったじゃないの
、箱根八里の半次郎、流れて津軽)第4代会長志賀大介先生(お梅、お吉、八重~会津の花一輪~)
です。

お吉のように生きる意味を失って命を絶つひとは現代でも数多くいます。一方、生きたくてもそれを
許されない過酷な運命の人も数多くいます。すべてが幸せで順風満帆な人生を送られる方ばかりでは
ありません。まさに、人生いろいろだと考えさせられますが、お吉の場合は時代の波に翻弄されて、
うたかたの夢のなかに生きた哀切きわまりない女性だったのだと考えさせられます。

『旅笠道中』は藤田まさと先生作詞ですが、島津亜矢さんの歌では野本高平先生が台詞を構成されて
います。これも、ちょっとなぞってみましょう。

「人間 おぎゃアと生まれて思う様に生きられる者は 一体何人おりましょう 上を見ればきりがな
い 下を見れば我慢もできる 近道なんかするよりもせめて おのれの心に嘘をつかづ 生きてみた
いと思います」

「明日がない 夢がないと仰るんですかい そりゃ一寸先は闇の浮世と云いますが ごらんなさい道
端の 名もない小さな花でさえ 春が来りゃぁ世に出ます この人間界(うきよ) まんざら捨てた
もんじゃございませんぜ」・・・・・ここでは前途への光明が見えています。

ここにも苦悩を抱えて生きている人がいますね~、人は皆多かれ少なかれ苦しみや悩みを抱えて生き
ているのでしょうが、生甲斐を無くしてしまえばもぬけの殻になってしまいます。
「なぜ生きる」と問われれば私など返答に窮してしまいますが、宗教に人生の拠り所を得ておられる
方は別にして大概の方は命題をもって明答できる方は少ないかも知れません。

これほどに、悩みや苦しみの多い人生ですから、何かしら生甲斐を見つけて暮らしたい思います。
論語を熟読している訳ではありませんが、たまたまこんな語を見つけました。
貧しくして楽しむ。
貧乏であろうとも、あわてることはない。目的をもって生きる、信じるところに生きる、趣味に生き
る、修養につとめる、そこにおのずから、積極的な人生の楽しみが生まれるのだ。・・・
こんなところが参考になるのでしょうか。

・・・趣味ならやっぱり芸術の香り高い島津亜矢さんですかね~。・・・

 野本高平先生については昔こんな事を書きました。

つい先日、義弟が逝きました。悲しみはまだ癒えていませんが、病院を一時退院し、力を振り絞って
銀行回りをして、業務上の月締め債務を支払処理をいていったその姿が、忘れ得ぬこととして瞼にあり
ありとしていますが、その五日後に逝きました。
その誠実さ、その人間性の尊さに感嘆させられるのですが、まさに凄絶な人生の終わりだったと言え
ます。そんな生き方は私にはとても出来そうにありませんが、人間力と胆力を備えた人は市井にもい
るのだと思い知らされた思いがしています。人生って何、生きるって何、人の一生は、はかないもの
と解ってはいますが、その時になって自分の心をどう律するのか、難しい命題です。

中日劇場の千穐楽は上の事情で参加できませんでしたが、手元に残ったチケットは思い出の一枚とし
て、いつまでも残しておきたいと思っています。

パソコンから音楽を聞く。

パソコンでの音楽管理ソフトも色々あるようですが、私が昔から馴染んでいるのはX-アプリです。
以前はソニックステージというものでしたが、MD時代からこれを使っていたので新しいものに変わ
っても、このメーカー製をずっと使い続けています。
最新のものは Media Go というものになっていますが、もちろんX-アプリも並行して使えます。
Media Go は色々と便利な機能が追加されているらしいのですが、私が使いたいのはFLACだか
ら、こちらもインストールしています。

Webでの説明ではFLACは可逆圧縮音声のファイル形式で、不可逆圧縮のMp3などと違い音声情報
を損なわずに圧縮することができ、再生時には元のPCM音源と同じ音質へとデコードされるという
ことになっていて、データー量は元データーの60%ぐらいになるとされている。
この頃はパソコンのハードデスクの容量もかなり大きくなっているから、あまり気にせずにFLAC
でエンコードするケースが少しづつ増えていますが、のべつそればかりという訳にはいかないので、
亜矢姫物で言えば最近のものと更に『彩』『鏡花水月』などをFLACで取り込んでいます。

残念ながら手持ちの携帯音楽プレーヤーはFLACをデコードすることが出来ないなので、もっぱら
の用途はPCに保存した音楽ファイルをUSB接続でアンプを通して聴くこと。
元来がものぐさですから、発想もだらけたものになる。ディスクをいちいちプレーヤーに掛けなくて
も良いし出てくる音がCDと同じならこれを使わない手はない。

そんな思いから接続に取り掛かったのですが、USBケーブルも5mが最長らしいし8mを引き回す
には、リピーターケーブルが要るとかで電気屋さんまで走らにゃならないし、アンプメーカーから提
供されるAudioPlayerの設定もパソコンの素人には行ったり来たりの作業が多くて、音が
出てくるまでにはなかなかの苦労?がありました。
それに何が原因か解らないのですがPCも時々不機嫌になってかなりのイライラが募るときもある。
結局、良い事ことばかりではないのですね~。

取り敢えずのオーディオ装置はJBL CONTROL ONEという小型ブックシェルフスピーカー。おもちゃみ
たいな小さなものですが、なかなかの音がでる。Webでの評価が良かったのでこれにしたが、やっ
ぱり口コミに嘘はなかったと、それなりに満足しています。
しかし、さすがに低音の出は弱いのでスーパーウーハーを使うことにしたが、難しいもので、これの
出力を上げすぎると違和感が出ていやらしくなる。あまり強調せず、ほどほどが良い感じです。

どうでもよい事を長く書いてしまいましたが、亜矢姫のファンとは言えない程の小動きしか出来ない
ファンとしてみれば、せめてもの慰みはPC音楽を聞きながら遠くに思いを馳せることぐらいしかあ
りません。
こんな生活環境で、お気に入り?と言っても亜矢姫の歌なら全部が全部だけど、量が膨大だから気分
の趣くままにあれこれ聴いています。まあ、他では例の吉田弥生さんとかもFLACに。

先日も『名作歌謡劇場:コンプリートベスト』を聞いていたのですが、やっぱり好いですね~。
これら一連の創作歌謡は、日本文化が生み出した古典や近代小説、戯曲などに材をとる物が多く、
古くから人々が親しみ愛してきた話を歌の世界に映したものと言えますが、それだけに、説得力のあ
る詞と曲調と得も言われぬ哀調を帯びた歌声とが混然となった中に溶けこんでしまえば、聴く者は否
応なしに感情が煽り立てられ、同化させられ、心の昂ぶりを覚えることになります。
これらの歌は、一時のはやり歌に終わらない重厚さと格調高さがあると思いますが、創作に携わった
作詞・作曲・編曲の先生方は、伝統に根ざした新たな日本文化の創造に大きな力を発揮されたのだと
つくづく思います。

もちろん、これらは亜矢姫あっての企画だったでしょうが、これを執念をもって二十数年間も途切れ
させず息長く続けてこられたレコード会社のディレクターさんやプロデューサーさんの思い入れも大
きなものが有ったと察せられます。
また、全曲を作曲されておられる村沢良介先生の功績もとても大きくて、しかるべき筋から顕彰され
るべき事績ではないかと素人ながらに思うのですが、この願い叶えば嬉しいことです。
亜矢姫の場合は、まだまだお若いからチャンスはいつか巡ってくると思いますが、村沢先生はかなり
のご高齢ですから出来るだけ早い方が良いし、先生の亜矢姫に対する思い入れも別な形で残して欲し
いと思うのです。

思えば、これら名作歌謡劇場シリーズを抱える島津亜矢さんはヒット曲とは別次元の大きな財産を持
っておられると言えるし、リサイタルや劇場公演で長編名作歌謡劇場として上演すればファンはこぞ
って喜ぶに違いありません。
また、積み上げられた楽曲は芸能、舞踊界でも時に応じて使われ続けていくでしょう。その意味では
古典的性格を帯びて長く残っていくものだと思います。

三波春夫さんが遺した歌謡浪曲は、いま島津亜矢さんはコンサートなどで歌うことを封印してしまっ
ておられますが、楽曲が歌われなくなったらは世間から忘れ去られて次第に地下に埋もれていってし
まうでしょう。あれほど感動的に唄って下さる方は島津亜矢さんを措いて他に考えられないから、権
利者は歌って頂く努力を惜しんではならないと思います。
仮に、他に歌う人がいたとしても、それを聴きたいとは思わない。いや、少なくとも私はそうです。

島津亜矢さんは、その他の歌謡曲、歌謡浪曲、洋楽、ポップス等に於いてもその歌唱力で偉才を発揮
されておられますが、人々を楽しませる技にかけては歌謡界屈指のスーパーエンターテイナーだと、
亜矢姫の本質を知る人は何方もが唱えることでしょう。
さて島津亜矢さん、この多彩な資質と財産を今後どのように発展展開されていかれるのか、楽しみが
膨らんで興味が尽きませんねえ。

今日は、身辺の雑事を書こうと思ったのですが、ひょんな事から最後はまた亜矢姫のことになってし
まいました。いやはや・・・他にすることや、考えること無いのかしら。我ながらあきれます。
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    Author:ふうてんの猫
    亜矢姫の唄は芸術だと固く信じているおじんです。
    コンサートなどに参加したい気持ちはやまやまなれど、不如意のことが多いので、これは条件が整い次第となっています。

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